エオラプトル

「母を訪ねて三千里」でマルコが立ち寄ったアルゼンチン第二の都市コルドバ。ここからさらに西に400キロ離れたラ・リオハ州とサン・ファン州の境に約2億3千万年前の恐竜化石が発見される場所がある。そこがイシワラストの「月の谷」と呼ばれる荒涼とした大地である。この地域には三畳紀後期の地層が露出していて、世界でも最も古い恐竜化石が何種類も発見されており、そのひとつが、エオラプトル(Eoraptor lunensis)である。

 エオラプトルは「夜明けの泥棒」を意味する。1993年にポール・セレノによって命名された全長1メートルの小型の2足歩行の恐竜である。竜盤類の恐竜として原始的な特徴を残しており、手には5本の指が認められる。しかし、小指と薬指は痕跡のみが残っている状態で、指としての役割を果たすものではなかった。後方の歯の形は獣脚類に典型的なナイフ型で、前方の歯の形は竜脚形類の歯に類似する木の葉形である。1993年のセレノの解析では、アロサウルスやティラノサウルスと同じ獣脚類に属するという結果が出ていましたが、最近のマルチネスらの研究では、竜脚形類に属する恐竜だと考えられている。

標本状態  
名称 エオラプトル
学名

Eoraptor lunensis Sereno et al., 1993

部位 全身骨格
州・県
市町村 アルゼンチン サンワン州
中生代
三畳紀